【製作例】

注文品、試作品、ヒトの授業だけど勝手に作ったとか、自分がほしいから作ったとか。
いろいろご紹介します。

 積分ケーキ 

積分の問題です。

問題

 底面の半径が3の円柱がある。
 底面の直径ABを含み、底面と45°の角をなす平面で円柱を切り取った。
 この切り取られた立体の体積を求めよ。

円柱
円柱を用意します。

解法

 底面の中心Oを原点とし、直径ABをx軸として、x=-3からx=3まで積分すればよい。

円柱
円柱を直径で切ります。

言うはやすし、ですよねぇ。
そもそも、円柱の半分は想像できるけど、それを45°で切ったカタチ、想像つく??

しかもそれ、積分するから、さらに断面形状を考えないといけないのよ??

お手上げになる生徒、続出まちがいナシです。
もちろん、ワタシだって想像つきませんよ、そんなの。

円柱
さらに45°で切り取ります。

この問題は、数学のF沢先生からの相談でした。

「検索してみたら、生徒の前でダイコンを切って説明する人がいるみたいなんだけど、
 毎回、僕がダイコンを持って行って切るのも、悪くはないけど、
 そのあとのダイコン、どうするの?職員室で食べるの??ってw」


学校の先生って言うのは、同じ授業を各クラスで行うわけで、
てことは、そのたびにダイコンを食べる羽目になるのですね、それは大変ですよね。

そんなワケで、
包丁とまな板のいらない、
次の授業までに痛んだりしないし、あとでがんばって食べなくてもいい、
そんな教具を作ってみました。

まぁ、円柱ですからね、そこはいいんです。
問題は、カットした状態を、如何にして…何で作るか…どんな風に仕上げるか…

考えながら、展開図を描いて、仮組みをしたところで、
なぜか頭の中に「Happy Birthday♪」が流れてきたので、ケーキになりました。
やっぱりね、見た目がよくないと生徒のノリがよろしくないですからね。

でもまぁ、
【数学の先生が、まな板と包丁を持って教室に現れて、教卓でダイコンを切る!】ほどの キョーレツさは、ないのですけれど。

えっと。
45°でカットしたのち、さらに断面形状を考えるにあたって、
ケーキの断面(クリームといちごの層)を、わざと縦にしてあります。

使った素材は、
透明の円柱型ケース、プリントアウトした(ケーキ模様の)型紙、透明板です。
円柱ケースをカットして、断面を透明板で作り、ケーキ模様を内側に入れてあります。

さらにやるなら、おままごとセットみたいに、
スライスの断面をマジックテープでくっつけておくと言う手はあるのですが、
それをやるなら、木材を丸鋸でカットして…みたいなことになって、
家内制手工業では「無理w」と判断しました。

ところで、この問題、
計算方法は、-3から+3までの二等辺三角形断面の積分になるのですが、
元は円柱なのに、計算結果に円周率が出てこないんです!
ちょっとびっくりしました。

(2017.10.30)

ケーキ
積み重ね、他のバージョン。